ブラックスワンを見てみた
先日「LEON」を見て、ナタリーポートマンのかわいさに目覚め、その後すぐTSUTAYAで偶然ブラックスワンを見つけたので、見てみました。
LEON撮影当時ナタリーポートマンは13歳だったようですね。すばらしい演技力+可愛くてセクシーだったので、印象に残りました。LEONについては、別記事でまた書く事にします。。
感想としては、ストーリー展開は面白かったです。ただ元々グロいシーンが苦手なこともあり、見れなかったシーンがいくつかありました。ストーリー以外の部分で、ダメージを受けていたので、もう一回冷静に見たい作品です。人間が壊れていく様子を描いている作品で、引き込まれて飽きることなく見れました。
主人公のニナ(ナタリーポートマン)はニューヨークのバレエ団に所属しており、ずっと目指してきた「白鳥の湖」の主役に抜擢される。ニナは主役を「完璧」に踊りたいと練習に励む。しかし、ホワイトスワンの踊りは「完璧」だが、ブラックスワンの踊りはカタチとして踊ることができても、魅力的に、官能的に踊ることはできない。
「完璧」に踊りたい、役を取られたくない、というニナ自身の強い思いと、母親からの過剰な期待や嫉妬。ライバルとの役の奪い合い、そして恋。その渦の中でニナは崩壊し始める。
最終的には、物語の半分以上は主人公の妄想だったのではないかと解釈できます。ただ、何通りか解釈の仕方があるようなので、私が想像したストーリーはその一つなのでしょう。
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ブラックスワンを見て考えたこと
•主人公ニナが崩壊してしまったのはなぜなのだろう
主人公は映画の最初のシーンでは、全く精神崩壊していない状態でしたが、クライマックスを迎えたとき主人公は自分をコントロールできない状態になっていました。思うにこの映画の中で描かれている強い感情は、ニナにとって人生初のものばかりでこの強い感情の中で、抑制が効かなくなったのではないかと思う。
ニナは母親と2人暮らしで、母親が諦めたバレリーナの夢を託されていた。小さい頃からバレエを習わされ、「あなたはバレリーナになるのよ」と言われ続け、いつしかニナ自身も自分の夢はバレリーナだと思い始めた。ずっと母親のコントロール下で育った。
しかし、「白鳥の湖」の主役に抜擢された時、ニナは母親を抜いてしまった。母親が経験できなかったところに1人立ってしまった。そのため母親は今までニナに向けたことのない「嫉妬」を向け始めた。これが一つ目の引き金だと思える。ニナは頼る対象を失ったのだ。
二つ目は、ブラックスワンを官能的に演じられない自分に気付いたことが大きい。ブラックスワンを踊るためには「自分の感情」を表にさらす必要がある。それができないというのは、どこかで自分をロックしているから。主役を完璧に演じたいと思えば思うほど、この壁が彼女を混乱させていく。
今まで自分は母親を満足させるために「いい子」を演じてきたが、それは本当の自分ではないのではないか?その想いを加速させるように「恋」や「お酒」や「ドラッグ」などが描かれている。
母親のコントロール下で育ててきたホワイトスワンの自分と、まだ見ぬ自分、本能的なブラックスワンが主導権争いを始める。ここでホワイトスワンの自分が、ブラックスワンを強く拒絶したのではないかと思う。拒絶せず共存すれば、精神崩壊はおこらない。
認めたくないという気持ちと、ブラックスワンを完璧に踊りたいという気持ち。
矛盾する二つの気持ちの中で、今まで表に出る事ができなかったブラックスワンが
ホワイトスワンを上回り始める。
そして、ラストシーンのニナの満足そうな顔が忘れられない。やっと本来の自分になれた満足感からの表情だったのかもしれない。
どういった結末だったかは、ぜひ見てもらいたい作品です。